【桜・ニュース・ダイジェスト 第3号 2006.11.3】

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SAKURA NEWS DIGEST              第3号 2006.11.3
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  日本文化チャンネル桜  公式メールマガジン sky perfecTV! 767ch
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~渡部昇一先生や、中西輝政先生など豪華出演者が集う
      日本文化チャンネル桜の公式メールマガジン~
    
     
今号のコンテンツはこちら・・・

 □ チャンネル桜 水島より冒頭言
 
 □ チャンネル桜の番組案内。
 
 □ 『妄説に断! 渡嘉敷島集団自決に軍命令はなかった』後編
   (月刊「正論」11月号寄稿文を2回に渡って紹介!後編です。)

 □ おすすめのイベントや講演会に関する情報。

 □ おすすめの書籍紹介。

 

〓【 チャンネル桜 水島総より冒頭言 】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

「畏れ」を知る政治家   水島 総 

「何程制度方法を論ずるとも、其の人に非ざれば行われ難し。人有りて後、

方法の行わるるものなれば、人は第一の宝にして、己れ其の人になるの
心がけ肝要なり。」   (「南洲翁遺訓」より)


その人は、落ち着いた口調でさらりと答えた。皇室典範改定について聞い
たときである。

「極めて慎重にする議論なんだろうな、と思います。やはり、皇室の歴史は
長い歴史がありますね。で、その歴史の中で、その今までの守ってきた
慣習を変えていく、ということについてはですね、これは畏れを持ちながら、
考えていく必要があると思います。傲慢な気持ちでですね、考えてはいけ
ないと思います」

平成17年10月17日、自民党本部総裁応接室で行った、当時自民党幹事長
代理だった安倍晋三氏へのインタビューの一部である。その頃、まだ皇室
典範問題は、大きく騒がれてはいなかったが、チャンネル桜が、安倍氏に、
他の話題も含めてインタビューをお願いし、実現したときのことである。
大まかな質問表は安倍事務所に提出していたが、ほとんどぶっつけ本番
状態で、私は安倍氏に様々な質問をした。安倍氏は、ソフトな口調で、的確
かつ慎重、明快で筋の通った話し振りでよどみなく答えた。皇室典範問題に
ついては、予定にない突然の質問だったが、上記の答えを聞かせてくれた。

「畏れ」を持ちながら考えていく必要があると聞いたとき、私は、ううむ…こ
れは只者ではないぞと、正直、感心し、嬉しかった。
英国の保守思想家エドモント・バークは、「国家とは、今生きている生者と過
去生きた死者、そしてこれから生まれ来る生命との共同作業である」と述べ
たが、まさに皇室こそは、その縦の時間軸を繋ぐ世界で唯一の存在で
ある。 二千年を超える地球上唯一無二の「時間」を体現する皇室に、深い
畏敬の念を持ちながら政治を行うというのは、日本の政治家として、まこと

に当然のことである。

やっと、ついに、本物の保守政治家が、祖国日本に現れたかと、私は正直
感動した。開局して約二年余、我が「日本文化チャンネル桜」には、これ
まで百人を超える国会議員の皆さんに出演をいただいた。しかし、かくの
ごとき応答の出来る人物は正直いなかったと言っていい。いや、確かに、
安倍氏のごとく、弁舌鮮やかに説得力のある応答の出来る方は何人もおら
れた。しかし、同時に「誠」「真剣さ」を感じさせる人物は残念ながらいなか

ったような気がする。

「畏れ」を知る人物とは、西欧近代主義的な理念や思想を超えて、我が国
の歴史と伝統の重みを感受できる人物である。本物の保守政治家とは、
単に、今生きて生活し一票を持つ国民に対してだけ責任を持つのではなく、
長い過去に生きた無数の祖先をも同等に、一票を持つ国民だと意識できる
政治家である。「畏れ」はそこから来る。

「畏れ」は、今ある自分と国民を「有限で限界ある存在」だと自覚できること
を示しており、極めて「現実的」な政治家であることの証左にもなる。

歴史と伝統を踏まえ、長期的戦略的な視点とリアルポリティクスを兼ね備
えた政治家こそ、今、大転換期にある日本が必要とする人材である。

時代が安倍氏を創るのか、安倍氏が時代を創るのか、いずにせよ、戦後
日本の大転換期を、幸いにも私達はこの若きリーダーと共に乗り切らんと
しているのである。
             
  まつすぐの道に出にけり 秋の暮れ   高野 素十


 



〓【 チャンネル桜 今週の注目番組 】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

( 1 )【注目番組!】
 
   教育再生民間タウンミーティング in 東京
         安倍内閣に真の教育改革を求める国民集会  
発足して間もない安倍政権が最重要政策として掲げるなど、日本にとって
喫緊の課題である「教育再生」を、民間の立場から支援すべく結成された
日本教育再生機構 。 
活動の一環として、国民の英知を広く結集する全国ネットワークを形成し、
「教育再生」に向けた議論を真に実りあるものにするための意見交換の場
 「教育再生民間タウンミーティング」 開催を、全国各地で予定している。
その第1回目として同機構正式発足の日に開催され、熱気ある提言や意見
が交わされた 「教育再生民間タウンミーティング in 東京」 の模様をお
送りします。
 
放送日時
 
 11月 4日(土) 21:00 - 24:00
 11月 6日(月)  1:00 -  4:00 (再放送)
 11月12日(日)  2:00 -  5:00 (再放送)


安倍内閣に真の教育改革を求める国民集会
教育再生 民間タウンミーティング in 東京
 [ 平成18年10月22日 / ハリウッドプラザ 5階ホール ]
 

登壇

 三好祐司 (全日本教職員連盟 委員長)
 渡辺綾子 (社団法人 全国高等学校PTA連合会・元会長)
 小川洋次郎 (社団法人 明石青年会議所 第45期理事長)
 伊藤政倫 (社団法人 全国学習塾協会 副会長)
 鍵山秀三郎 (イエローハット相談役 /
            日本を美しくする会 創設者) ※ビデオ出演
 櫻井よしこ (ジャーナリスト)
 八木秀次 (日本教育再生機構 理事長 / 高崎経済大学教授)
 
その他、 一般公募者からの提言発表 等

主催 日本教育再生機構


http://www.ch-sakura.jp/topix/196.html


インターネット放送では、11/4深夜には公開予定です。
こちらからどうぞ↓↓
http://bb.ch-sakura.jp/search.php?s%5Bgenre%5D=41


( 2 )【注目番組!】

 


守れ!わが国旗・国歌
東京地裁の非常識判決を弾劾する都民集会


 去る9月21日、「都立学校の卒業式や入学式などにおいて、国旗掲揚や
国歌斉唱を教職員に義務付けた都教委の通達及び職務命令は違憲で
ある」とする信じ難い判決が東京地裁で下された。
 国民大多数の感覚とはおよそかけ離れた歪んだ認識に基づく判決に
異議を唱え、各教育現場での国旗・国歌の尊重が今後も毅然と行われる
よう求めることで、教育の正常化を訴えた都民集会の模様を 「草莽スペ
シャル」にてお送りします。
 
 
放送日時
 
 11月4日(土) 12:30 - 14:00
 11月6日(月) 10:30 - 12:00 (再放送)


東京地裁の非常識判決を弾劾する都民集会
守れ!わが国旗・国歌
[ 平成18月10月24日 / 東京都議会議事堂 第一会議室 ]


基調講演 小林 正 (元参議院議員 / 新しい歴史教科書をつくる会 会長)


主催(発起人)

 国策研究地方議員協議会(準)
  ・ 古賀俊昭 (東京都議会議員:自民党)
  ・ 土屋敬之 (東京都議会議員:民主党)
  ・ 田代博嗣 (東京都議会議員:自民党)
  ・ 吉田康一郎 (東京都議会議員:民主党)


後援 日本会議東京都議会議員懇談会
   教育再生地方議員百人と市民の会

http://www.ch-sakura.jp/topix/195.html


インターネット放送では、11/4深夜には公開予定です。
こちらからどうぞ↓↓
http://bb.ch-sakura.jp/search.php?s%5Bgenre%5D=41


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チャンネル桜 出演予定者情報は、こちらから
http://www.ch-sakura.jp/topix/177.html


チャンネル桜 週間番組表は、こちらから
http://www.ch-sakura.jp/weeklypg.html




〓【『正論』に水島が寄稿したものを前編後編に渡って紹介します】〓〓〓〓〓
 

『妄説に断!  渡嘉敷島集団自決に軍命令はなかった』(後編)

 元琉球政府職員の証言が明らかにした真実と、
            それを封じ込めてきた戦後沖縄の現実
        
 水島総(日本文化チャンネル桜社長)&同局取材班(井上和彦・仙頭直子)
 
 照屋昇雄氏の証言

渡嘉敷島から戻った翌日、那覇市のホテルで、私達は、照屋昇雄氏の
インタビューを行った。三欣会という沖縄保守系の人々の勉強会に参加
する形で、照屋氏は仲間と共に私達を待っていた。だいぶ緊張した様子
で、ご自身もそう話されていた。以下のインタビューは、五月と七月、九月に
照屋氏からお聞きした話の核心部分である。

「ずっと沖縄本島にいらっしゃったのですか?那覇市に?」
那覇市にいるんですよ。小さい時はクニガミのモトグというところ。
「沖縄戦は体験されてるのですか?」
体験しておりますよ。僕は重砲七連隊。僕はその時少年兵だから。捕虜
になりましたかね、一年八ヶ月だったかな。ハワイ(の収容所)で二十一歳
の誕生日、戦後戻って、あれやこれやして新聞社に入ったりしてね、食う
ためにいろんな思いして。

「その中で援護局の職員として採用されたということですね」

そうですね。琉球政府社会局援護課調査係、調査係の旧軍人軍属資格
審査委員です。政府関係者から『援護法ができて、軍人関係の調査を行う

からこないか』と言われ審査委員になりました。私は、島民にアンケートを
出したり、直接聞き取り調査を行うことで、援護法の適用を受ける資格が
あるかどうかを調べたりしました。各市町村をかけずりまわって調査をする
のは、南西諸島に対する旧軍人軍属に対する日本政府からの恩給、沖縄
戦で亡くなった人にはお金をあげましょうということで、沖縄戦について、
戦闘状況を調べてくれと。いつどこで戦死したかなど調査して、記録簿を
作って、厚生省に援護金をもらうために、私が審査員になったんです。

「なぜ今六十一年経って、当時のことを話すことを決心されたのですか」

私はね、本当、今までね、口をね、何十年間 全部封鎖しておりました
よ。で、渡嘉敷村のこと、座間味村のことが嘘で報道されて、嘘、言って
るんですよね。赤松隊長や座間味にいた梅澤隊長、少佐ですね、あの人

は。この方なんかにすまない、すまないと思いながら、今まで、もう歯くい
しばって、あっちの村の人も、全部心ひとつにしてね、誰が来ても、誰にも
そのこと、言わないといってね。何故、今ごろ私がね、その話をするかとい
いますと、大きな理由があるんですよ。

赤松隊長が、自決命令を出して、住民をね、谷底のところ、全部で三百
十五名、自決させたんだと、大きく報道しているのは、(沖縄)タイムスで
すよ、真実性が欠けてるんです。それはもう惨たらしい自決のやり方だっ
たんです。もう本当にね、一緒に調査した南方連絡事務所から来られた
マブチさんていう方がおりましたが、なんとか助けられんかというわけで、
援護法上、自分で死んだものは、自決は援護法に該当しないんです。
この戦争で、満州や南方全部、たくさんの人が自決してるんですね。

それを沖縄だけね、格別にできないということでね、絶対にそれはでき
ないということだったんですよ。村長さんの玉井喜八さんと二人でね、五十
五年だったかなあ、自決は軍の命令だったと嘘言って、文章書いて、書類
作って、援護金もらったなんて言えなかったし、それは責任問われたら
大変だし、今まで全部口を封じておりました。渡嘉敷島の人も、援護局の
書類を書いた人の小峰さん、誰も言わない、言ってはいけない、ということ

 

で隠し通していた。

玉井村長さんが死んで、あの人の慰霊をするために真実を明かすときが
来たんじゃないかという事で、奥茂治さんたちからもお話があって、正しい
ものを、後世に伝えなければいけないと思って、もう新聞に叩かれようが
何しようが、もう真実を述べてね、いいんじゃないかと思ったんですよ。
今まで、隠し通して、僕らももう年だし、いつ死ぬかわからんから、真実を
ね、もうハッキリしようじゃないかと、僕自身で決めたんですよ。


「渡嘉敷島ではどれぐらい聞き取り調査をしましたか」

 渡嘉敷村の場合は、あっちに約一週間くらいいましたね。いちいち、何か
調査するには、そんなくらいに長くかかるんですよ。要するに援護金の該当
するのは全部なんです。だからだいたいの嘘はわかりますってね。

「その時は、関係者の方、何人くらいから話しを聞いたのですか?」

そうだなあ、女の方から大方聞いてるからね、百から二百名…一日書い
て、夜はまた整理せんといかんですね、たくさんの人の証言をまとめること
は難しいんですね 

「その百名以上の方の中に、集団自決が軍の命令だと証言した住民は
いましたか」

一人もいないですよ。一人もいない。これは断言します。女も男も全部集
めて調査しましたよ。だって無いのに。軍の命令があったっていうのは、
僕は、沖縄タイムスの記者が自決のあったサイパンかどこかの記事を引用
してね、書いたんじゃないかと思いますよ。自決命令したとかなんとか言う
のは、サイパン帰りがおりましてね、サイパンでは隊長命令で自決したって
ね、それを沖縄に適用して真似てね、隊長命令と書いたんじゃないかと。

 

 

「蘇鉄(そてつ)地獄」を何とかしたい それに応えてくれた赤松隊長


「なぜ集団自決をしたのでしょうか」

沖縄での自決の実態を僕ら掌握してみたらね、沖縄のね、文化、風習って
いうかな、沖縄の墓は、外国で死のうと、どこで死のうと、全部こちらに、
大きな墓に祀るという昔からの文化があります。家族が全部集まる。その
文化があるので、あちこち死ぬよりも、家族一緒に死のう。そしたら誰か墓

に祀るだろう。

それと、当時の教育思想関係からして、国に減私奉公しようという気持ちで
死んだんです。撃ちてしやまん、アメリカにあれするより、一人でも殺して
死のうといって。

それと集団自決は、座間味が先なんですよ、二十六日。二十八日が渡嘉
敷。あっちの村長さん、農業組合長、校長先生ね、非常に熱血で誇り高い
人でね、最初、校長先生が切腹してね、自決し始めたらしいよ。もうぼん
ぼんアメリカ軍が上陸してるもんだから、じゃあ死んでいこう。その村長さん
と校長先生が死にはりまして、そしたら座間味の人は、こっちからこちらへ
伝えられましてね、僕らも死のうかといってね、三十二名ぐらいかな、自決
して死んだ、もう米軍に上陸されて混乱しているですよ。僕は死なないと
言ってこっちの島に逃げてた者が、もう大変だ、もう住民全部死んだ、全部
自決したって。それを聞いて、こっちからこっちに大きな噂が流れてね。

どうしようかこうしようか言う時にね、古波蔵っていう村長さんが、あの人、
村からね、信用無いんですよ。だって住民集めて、演説もしてるんです。
全部死ぬと言ってね、アメリカの捕虜になって女はアメリカのおもちゃに
なってとか、何とかかんとか言ってからね、もう自決やりましょうって手榴弾
持ってね、あの、赤松隊長が渡したってあれも嘘ですよ。防衛隊って言っ
てね、一般の人がすぐ召集されて、何でもない兵隊も軍だかわからない
ものを、鉄砲もつけたし、全部、手榴弾渡してあったのよ。一人くらい撃ち
殺せって、戦車をね、ぶっ壊せって。防衛隊の人たちがね、逃げてきてね、
村の人たちの中に入って、これを爆発させてるんですよ。もう全員死ぬと
いう噂が、流れ流れて渡嘉敷村の愛着を持っている人は、集まって自決
した。これが理由です。聞いた範囲は、これであります。

 


「集団自決を軍命令とした経緯はどうなんですか」

援護金の調査しているとき、1ヶ月間、アメリカから食糧の配給がストップさ
れ、その時に蘇鉄を食って死んだ人がいる。「蘇鉄地獄」と言ってね、その
時にね、援護法ができてるからなんとかしてみようと、あまりに惨たらしい
死に方だから、かわいそうだというふうで、東京の(南方同胞)援護会なん
かも掛け合って、援護法の適用って出来ないかってことになって、南方連
絡所のマブチさんという人が、もう泣くぐらいに懇願した。なんとか助ける
方法がないかって言ってね。審査委員会というのがありましてね、東京で。
その時にはね、何回言っても、ノー!駄目って。日本国中ではそういう人
たくさんいるからね、駄目だって言って、ああやこうやしてるうちにね、その
規定の中に、隊長の命令、もしくは、隊長の命令による銃殺、もしくはスパ
イ行為とかで、援護法の適用法律がある。

その中に「隊長の命令によって死んだ場合は、お金をあげましょう」という条
文があるんだが、実際に隊長の命令で自決したという人はいなかった。
そしたらね、誰なのかわからんが、誰かがその当時の隊長さんたちに
ね、お願いして、とにかく、自決命令を出したと言ってくれ、そうすれば(政府
から)お金が出るからと言ってね、しかし、誰もならない、馬鹿じゃない
限り、あんた、自分で自分を、縄で首しめる隊長はいないですよ、そして
十二月頃かな、最後の東京の会議がありましてね、私は参加しておりま
せんが、渡嘉敷の玉井喜八村長さんが、参加したらしい。

その時に、厚生省の課長さんかな、なんか、赤松さんがね、村を助けるため
に十字架を背負いますと、言いよったよということなんです。
村長さんは早速、赤松隊長に、自宅に会いに行ったの。兵庫県かどこか
関西の方…そこへ行ってですね、隊長命令だったという命令書を書くとい
うことになっているそうですが、ということを話したらね、お前ら書いて
こい、お前らが書ければサインして判子を押しましょうということになった

んです。

村長さん大喜びしてね、二十五日頃帰ってきましたよ。書類と資料提出が、
翌月の十五日か十六日までに間に合わして、その隊長さんの命令って
書くんだから、二人で、大晦日だったなあ、二人夜通しで作って、大晦日と
いう、書き終わってね、二人で一杯飲みながら、もう夜明けで…。

「それは命令書なんですか?」

あれはね、命令じゃなかったな。渡嘉敷住民へ告ぐと書いてある。玉井村長
と二人でね、赤松隊長の身になって書いたからね、何年何月何日、渡嘉
志久から米軍が上陸して、もはや村の役所の前にきてる、国のために
降伏せず、一人でもアメリカ人をやっつけて、というよう内容だったはず、
住民もね、死して国のためにご奉公せよとか沢山書いて、自決せよとか
そんな命令じゃないんですよ、教育じみてるのが命令書となってるんです。

 
「それは、赤松隊長には見せたんですか?」

サインして(判子を)押して、(翌年)一月十五日だったかな、閣議に出さな
ければ間に合わないということで、十五日までに、間に合わすよう、村長
さん持っていったの。サインと判子を宜しく貰って、喜んでね、間にあった
と言って、二人でまた飲み屋で一杯飲んで。私はあとから、南方事務所の
マブチさんという人に「赤松隊長、どうして、お願い聞いてくれたのかね?」
と聞いたら、「照屋君、あの人は、沖縄病といわれるくらい沖縄にかかって
いる偉いい方から、何とか沖縄を救えないかと耳打されたという話がある
んだが、だからあんなに一生懸命になっているんだよ」と。

本当か、真実はわかりませんよ。赤松隊長が、私が命令したということに
しようと十字架を背負ってくれた。赤松隊長さんは、村民からは、神様みた
いな方だった。非常にいい人、私も、会ってみてそう思います。


「住民は、赤松さんがそうやってくれらから援護金が出たことを知っているの
ですか?」


わかってる。だから、いかにどんな人が来てもね、口をつぐんでいる。唇寒し
でね、絶対言いませんよ。向こうの住民は、絶対に、


「援護担当だったコミネさんは喋ってくれないのですか?」


言わない。あの 村のね、援護係してたのは小峯幸信。まず言わないでしょ
う。五十年くらい前よ、絶対言ってならん、死んでも言ってならん、これ言っ
たら、大変になるよつって、玉井村長と小峯さん、この僕と三人で誓いを立
てたんです。村民はね、これを聞いてね 全部わかるわけです。絶対言わ
ない、座間味も同じ。

「あらためて、お聞きしますが、なぜ、今証言すると決めたんですか」


深い理由があるんですよ。赤松隊長はね、余命三ヶ月、ガンで亡くなった
らしいんですがね、電話でね、私は命が三ヶ月しかありません、だから、
玉井村長、村史から私が自決命令をしたと、あれをね、削除して、その訂正
文をはさんでくれんかと何回もきた。何回もね。そうしたら村長さんはね、
赤松隊長はもう病気だし、照屋くん、どうしたらいいか、恩はあるし、村史
からこれ消したらいけないし、僕はもう寝ても起きてもできないよってね、
どうしたらいいのって言ってね、いろいろ弁護士とかね、いろいろ調べたら
ね、ああもいかない、こうもいかない、もう、心配して眠ることもできないん

ですよ。

そしてどうしようかって二人とも夜通し酒飲んで、帰ってきても、また電話き
てね 照屋くん、僕、ウィスキー飲んでも、睡眠薬飲んでも眠れんつって。
僕は慰めてね、宥めながら何回も呼ばれ、やけ酒飲みました。そして赤松
隊長が亡くなったら、玉井村長、あの人は、ああも出来ない、こうも出来な
いと毎日心労してね 病気して、間もなくして死にましたよ。あの人はこれで
死んだんですよ。

考えてみんさいよ、どこの隊長がね、学識ある人がよ、例え命令したと
言ってもね、命令しなかったと突っぱねるのが普通ですよ。悪いことを僕が
引き受けましょうって、いかに善い人であるかね、本当に十字架を背負って
ね、僕らは毎日手を合わせておりましたよ。だってこの人に責任負わせて
苦しめているでしょ、新聞に赤松隊長の悪口見たりするとね、心が張り裂け
る思い。胸に短刀裂かれる思いしよった。あんないい人をね、だから私も
ね、真実を言ってね、もう隠すもんじゃない、言うべきとこは言っておこう
と、もう寿命しれてるからって言ってね、生きてるうちにはっきりしたことを
申し上げようと思って今、申し上げてるんですよ。あの人のね、御霊をね、
安らかにするために、私は真実を言わなければいけないんです。

インタビューを終えた照屋氏は、長く苦しかった「沈黙」から解き放たれたせ
いか、疲れてはいたが、ほっとした様子とすべきことをした誇りに満ちた
表情を浮かべていた。インタビューの途中では、何度も声を詰まらせ、
涙を流した。その涙が、凍結されたままだった「沈黙」を一筋づつ溶かして
いくように思われた。男の涙はいいものだと思った。

 


電話が鳴ると心臓が縮む 真実語った照屋さんの今

さて、二人のインタビューでも指摘されていない一つの「沈黙」について、私
はあえて述べておきたいと思う。慶良間諸島の皆さんの「沈黙」は、ただ、援
護金をもらうために自決を軍命令にしたという理由だけではないということで
ある。

それは、もし、軍の自決命令が無く、戦前の日本の「軍人勅諭」的な価値観
を採らず、戦後の価値観で考えてみると、集団自決は大規模な無理心中
殺人事件であり、当時残っていた法律の「尊属殺人罪」の適用も考えられ
なくはなかったのである。情状酌量の余地は勿論あるが、少なくとも戦後
的価値観で見れば、特殊な状況下における殺人事件と見られても仕方

ない。

だからこそ、どんなことがあっても、軍命令としたかった要素もあったのでは
ないか。戦前までの日本において、自決は自らの誇りと武勇、栄光を体現
するものだった。慶良間の集団自決もそんな流れの中に起きた。集団自決
で散華なさった皆さんを軍国主義に騙された戦争被害者として片付ける
戦後日本と沖縄に、私は怒りすら覚えるのである。

私達は、この照屋昇雄氏と金城武徳氏に対して五月に行ったインタビュー
内容を文字メディアで取り上げてもらおうと、テープと企画書を産経新聞社
に持ち込んだ。産経はこれまでも集団自決問題について積極的に報道、
論評してきたが、今回も記者が沖縄まで取材に飛んでくれた。それが八月
二十八日付けで、同紙一面(東京版)に掲載された記事である。  
私達も衛星放送「日本文化チャンネル桜」(CH767)として、八月十五日、
「沖縄集団自決の真実」として特別番組で放送した。この反響は大きか
った。インターネットの2ちゃんねるでは、投稿数が一万を超える大きな反応
を呼んだ。照屋さんの勇気を称える投稿がほとんどだった。

これに対して、沖縄ではどうだったのか。集団自決は軍命令だったとする
主張の大本となった「鉄の暴風」の出版元で現地の新聞社「沖縄タイムス」
は、冷たい黙殺を続け、沖縄タイムスと並ぶもう一つの現地新聞社琉球
新報は、早速文化欄で、「集団自決訴訟 問われる沖縄戦観」と題して
訴訟被告側の岩波書店編集局副部長のインタビュー記事を掲載した。
その見出しは「軍の残虐性否定が目的 沖縄の人々への挑戦」という刺激

的なものだった。

九月初め、私たちは再び座間味島取材のため、沖縄を訪れ、照屋さんに
話をうかがった。新報の記事が出ても、その決意は全く揺ぎ無いものだっ
たが、電話が鳴ると心臓が縮むような思いがすると話していた。琉球新報
も、その後はインターネット上の反応に恐れをなしたか、沖縄タイムス同様、
沈黙を続けている。この両新聞を読んでいると、朝日新聞が保守新聞に
思えてくると言っていた沖縄の知人が、曽野綾子氏さんの『沖縄戦・渡嘉敷 
島集団自決真実』(絶版になっていた『ある神話の背景』をWAC出版が今年
五月に文庫として復刻)那覇市内の書店の店頭には並らんでいないと連絡
して来た。これが戦後沖縄の現実なのだろう。

 そういえば、大江健三郎氏が、九月になって五回目の中国訪問をしたと
いう報道があった。大江氏は、南京市内にある「南京大虐殺記念館」を初
めて訪れ、「館内には展示品がたくさんあるが、大江氏は一つひとつに丁重
に頭を下げていた」「頭を下げた回数は全部で100回を超えているだろう」
(九月十三日付、中国紙「現代快報」)「大江氏は日本人の鑑だ」(同紙十四
日付)などと現地メディアに報じられた。このノーベル賞作家の中国での
神妙な平和の使徒のごとき表情を想像すると、私は笑うに笑えず、得体の
知れない私達人間への「沈黙」を余儀なくされるのである。

取材スタッフ 井上和彦・仙頭直子
取材協力 奥茂治(南西諸島安全保障研究所) 
                  産経新聞記者 豊吉広英 


             (おわり)

※この記事は月刊「正論」にご了解をいただき、転載させていただきました。



〓【 おすすめのイベントや講演会に関する情報 】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

 
○【鰍沢町】「一日も早い家族再会を目指して」(11/05)
日時 平成18年11月4日(土)午後2時~ 1時半開場
場所 鰍沢中学校体育館
登壇予定者 横田滋さん早紀江さん夫妻

○【京都市】  第4回 関西民間憲法臨調 講演会 ( 11/4 )
日時 平成18年11月4日(土)午後1時半~4時半(開場 1時)
 場所 京都府神社庁会館 TEL 075-863-6677
   京都市西京区嵐山朝月町68-8 阪急嵐山線「松尾」駅下車、徒歩1分
 基調講演
 演題 『陽明学と憲法改正』
 講師 吉田和男(京都大学大学院教授・関西民間憲法臨調代表)
 ※1時50分~2時50分
 
○【岐阜市】「林雅俊さんの失踪を考える集会」(11/05)
日時 平成18年11月5日(日)午後2時半~4時
 場所 岐阜大学工学部101教室
 登壇予定者 荒木和博

○【千代田区】「教育基本法改正案の共同修正を求める緊急集会」(11/07)
日時 平成18年11月7日(火) 午後3~4:30 (午後 2時開場)
 
○【渋谷区】「食生活が人生を変える」(11/11)
日時 平成18年11月11日(土)13時~15時30分(受付開始11時30分)
 場所 明治神宮会館
 
○【高知市】「拉致被害者と家族会の人権を考える県民集会」(11/14)
日時 平成18年11月14日(火)午後6時半~8時半
 
○【千葉市】「立ち上がれ!日本」  草の根活動でネットワークを創ろう!
 講演会   ー新政権に何を期待し我々は何をすべきか! ( 11/18 )
日時 平成18年11月18日(土) 午後5時より午後7時まで
 
 
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〓【 おすすめの書籍紹介 】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

○  東京裁判とは何だったのか『明日への選択』編集部【編】
  出版社  日本政策研究センター
http://www.ch-sakura.jp/publications/book.html?id=318

○ 対中韓「歴史認識」外交を問う『明日への選択』編集部【編】
  出版社  日本政策研究センター
http://www.ch-sakura.jp/publications/book.html?id=319

○奇跡の船「宗谷」 - 昭和を走り続けた海の守り神 -
桜林美佐
  出版社  並木書房
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○サンカの真実 三角寛の虚構 筒井功
  出版社  文藝春秋
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○核武装なき「改憲」は国を滅ぼす 片岡鉄哉
  出版社  ビジネス社
http://www.ch-sakura.jp/publications/book.html?id=360

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〓【 チャンネル桜とは? 】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

 衛星放送スカイパーフェクTV!(sky perfecTV!)の767chで、日本文化を
 中心に放映しています。
 
 他のメディア報道と一味違った日本の伝統文化、保守の観点、国益の
 観点から報道します。
 
 チャンネル桜は、日本の伝統文化の復興と保持を目指し
 日本人本来の「心」を取り戻すべく設立された
 日本最初の歴史文化衛星放送局です。

 豪華メンバーで歯に衣着せぬ論説を展開しています。
 
 チャンネル桜を見るには・・・・ここをクリック!!
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〓【編集後記】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
いよいよ11月ですね。憂国忌の季節です。
三島由紀夫は日本の衰退を予期して決起を促しました。
実際日本は中韓にまでナメられた国になってしまっています。
本気で改憲・核武装を論じる最後のチャンスかもしれません。
桜を見て家族、友人、知人と大いに語らってください。
寒い日もでてきました。どうかご自愛ください。    (担:わだ)

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