【桜・ニュース・ダイジェスト 第21号】
番組クローズアップ!!
中国分析の真髄 - 平松茂雄氏に聞く

■ 報道ワイド日本 3月13日(火)号  ■
  [キャスター] 水島 総・鈴木邦子


今回の「報道ワイド日本」は、
ゲストに軍事評論家の平松茂雄氏をお迎えしました。

平松氏は、長年、防衛庁防衛研究所において、現代中国の軍事面の
研究を続けてこられましたが、その実証的で緻密な研究は、これまでも関
係者の間で大きな評価を得られてきました。
特に最近は、精力的な執筆活動をされており、独自の「平松理論」とも
呼べるシビアな中国分析は、対中国の問題を考えるにあたっては、もはや
外すことのできないものになっています。

水島代表をして、「平松理論に触れると、思わず暗澹たる気分になってき
ます…」とまで言わしめる、切れ味鋭い平松氏の中国分析を、今回は最
新の著書の話題を含めて、存分に語って頂きました。

これまで数々の著書や言論誌上ではお馴染みの平松氏ですが、実際に
お話をされている姿は、他のテレビメディアでは滅多に観られないものです。
平松氏が最近出席された政治家との会合の席でのお話など、チャンネル
桜ならではのタイムリーな話題が満載です!


★番組より、その内容を一部ご紹介致します!★


■ 中国のご都合主義に振り回される日本… ■

水島)

先生の本を読むとよくわかりますが、ここ何十年ずっと中国にやられて来た
わけですよね。

平松)

あの国の人というのは、同じ人がまったく違うことを言っても、まったく平然と
している。
何とも思っていない。

我々日本人は、それをおかしいと思うわけですが、当の中国人自身が何
とも思ってないわけですから…。

同じ言葉を使っていても、時期・状況によってその意味が全く変わってくる
わけです。

日米安保に関することなどは、まさにこれに当てはまります。

水島)

確かに、中国に関する報道を長く観察しておりますと、例えば、ソ連と対立
していた時などは、日米安保は必要だ、などといった見解も発表しておりま
したよね…。
ご都合によって日米安保が良くなったり悪くなったり…。

平松)

例えば、日米安保の件について言えば、日本の政治家などは、向こうが
何も言わなくなったというだけで先読みをしてしまって、中国は日米安保を
認めた、と思ってしまうわけですが、それは、意図的に、ただ言わなくなった
というだけで、決して認めたわけではないのです。

それで日本側は安心してしまうわけです。

ですが、ある日突然、バーン!と同じ問題が蒸し返される。

これはどういうことだ!? となってしまうわけです。

そこで、日本人は中国人に対して一生懸命に説明するわけですが、そも
そも、中国人は日本を叩くキッカケとして話を持ち出してきているわけです
から、中国に対してまともに付き合ってはいけないのです。


■ 本当の脅威は衛星破壊兵器ではない! ■

水島)

平松先生が、ある会合に出席されたとき、その席にいた政治家から、
なぜ、今、日中が仲良くしてゆこうというこの時期に、中国は衛星破壊兵
器の実験などをやったのでしょうか? という質問をされたということですが。

平松)

衛星破壊兵器というのは、あくまでも防衛的なものであって、それを使って
直接攻撃を行うような兵器ではありません。

その質問をされた方をはじめ、ほとんどの人が認識しておりませんが、有人
宇宙船の打ち上げ成功ということの方が大きな問題なのです。

宇宙船は宇宙開発で平和利用だからよいのだ、というおかしな理論があり
ますが、何を目的とするのか?という部分をしっかり見極めれば、衛星破
壊兵器よりも有人宇宙船の方がはるかに重大なのです。

なぜかといえば、あの宇宙船というのは、アメリカにまで届くロケットで打ち
上げているわけです。
ということは、ワシントンやニューヨークに核爆弾を打ち込める能力を中国
は持っているということなのです。

だから、アメリカは必死になってMDを開発しているということです。

平松)

中国はアメリカのMDに対抗して、自分達も自前のMDを持とうとはしない
わけです。
そんなことをしたら莫大な費用が掛かってしまうわけです。

そこで中国が考えることは、MDのシステムを破壊するにはそれを動かして
いる偵察衛星を潰せばよいのだ、と。
潰さずとも、要するに無力化すればよいわけです。
これをやれば、システムそのものが動かないわけですから、それでよい、と。

つまり、これは攻撃をいかにかわすかという兵器であって、攻撃兵器と
いう、そんな物騒なものではないわけです。

ですから、アメリカに届くミサイルを持ったという意味で、有人宇宙船の方が
よほど深刻な問題なのですが、そのことは誰も言っていないですね。

あの時に、私は日本のマスコミ各社からかなり取材を受けました。
そのときに聞かれたことは、
「今回の有人宇宙船打ち上げ成功の軍事的意味は?」ということだった
のですが、私に言わせれば、これは「軍事的意味」どころではなく、
「軍事そのもの」なのです。
軍事的な意味もへったくれもないわけです。
これはアメリカに到達するミサイルができたということが重要なのです。

…(略)…


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 『報道ワイド日本』(3月13日号)
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